1.
こっちの歯医者はすごいっす
俺っち、歯に大きな穴が空いて肉とかが食べられなくなったっす。
早速、俺っちの近所で『早いし安い』と吉野家のような評判の歯医者に行ったっす。
受付のおばさんは白人女性なのに白いヒゲが生えていたっす。
こっちの人は全然、気にしなさすぎっす。恐いっす。
下手な英語で一生懸命に話してたら「通訳者を連れてきなさい」って言われ歯医者のパンフレットを渡され門前払いされったっすー。
悔しくて、痛くて、辛かったっすー。
妹に電話予約を入れてもらい、やっとの思いで1週間後に妹と行ったっす。
妹も歯の治療を受けるので別々の診察室に入って行ったっす。
俺っちの先生はイタリア人っぽい胸毛ボウボウの容姿っすが酔っ払っているように陽気だったっす。
床屋ともドクターとも言える白衣に身を包み、怯える俺っちを楽しそうに見つめる目が悪魔のようでちょっと恐かったっす。
助手はとってもビューティフルなラテン系の女性で日本風に言えば看護婦さんになるんすかねぇ…?
この悪魔先生と天使の助手に囲まれ治療は始まったっす。
先生のナマリある英語で何か言っていたっすが、良くわかんなかったっすから適当に「YES」って答えていたっす。
そしたら、いきなり死角から3本くらい目にも止まらぬ早業で歯ぐきに注射されてしまったっす。
あまりの早さに痛みを感じる暇もなかったっす。
次に治療室を出てレントゲンとって席に戻ったら麻酔が効いてきて口元が痙攣していたっす。
歯を削るドリルがグリグリ頭蓋骨に響いて削岩機で頭に穴あけられているようで恐かったっす。
よっぽど、ひどかったらしくかなり時間がかかったっす。
恐くて目を閉じていたら「ワイドオープン」って何回も言われたっす。
「目をあけろって」ことかと思っていたら「口を開けろ」だったっす。
俺っちがあんまりお馬鹿なのでもう少しで医者にサジ投げ出される所だったすが、ギリギリセーフだったっす。
やっと終わったと思ったらスペシャルサービスで、頼んでないのに全部の歯の歯石を取ってくれったっす。血が鬼のように吹き出て3時間血の味が消えなかったっす。
うがいをすると麻酔の効いた所からうがいの水が漏れてい情けなかったっす。
天使のような助手にも笑われてしまったっす。ショックっすーー。
最後に「データベース・プリーズ」って言うのでパソコンの話かと思ったっす。
「プロバイダ」とか「インターネット」とか色々言っていたら笑わうんす。失礼っすよね。
しかし、何回もゆっくり言ってもらってやっとわかったっす。
「データ・オブ・バース」つまり生年月日を聞かれていた事にやっと気付いたっす。
俺っち、本気で恥ずかしかったっす。
恥ずかしさと焦りであわてて昭和の年号を言ってしまったっす。
先生は「君は嘘つきだー」って笑っていたっす。
「オー・マイ・ゴー!ミス・テーク!!」恥の輪島塗りしてしまったっす。
実際の年齢より25歳も上の年齢で申告してしまったっす。
気を取りなおして昭和の年号に25を足して(つまりさっきよりも25歳若り)、やっと西暦に修正し本当の生年月日を伝える事に成功したっす。「フー」緊張したっす。
やっと治療が終わって処方箋書いてくれたので、それを持って妹とスーパー・ドラッグって名前の薬局に行ったっす。
その薬を飲んだら今度は強力すぎて下痢になったっす。
しかし、飲まないと痛くて我慢できないっす。トイレも我慢できないっす。本当に困ったっす。
Seven Sisters通り沿いにこの歯医者とスーパードラッグがあるっす。
治療にかかった費用は1回目が£70で2回目が£42だったっす。
ちょっと高いけど日本より早いし無保険すから少し安く感じたっす。
でも、治療は乱暴でしかも副作用の強い薬をくれるので、できればもう、行きたくないっす。
恥もかきたくないっす。
俺っちは失敗の星の下に生まれたようっす。仕方ないっすね。
でも、おかげで今は好きな物が食べられるっす。
みんなの失敗談を聞きたいっす。
このままでは俺っちが、お馬鹿のワーストワンなってしまうっす。
愚痴って悪かったっす。
それじゃ、さらばっす。
秋葉 渋之介
注) 感想、異論、反論、意義!などどしどし受け付けるっす。間違いについては判明しだい素直に訂正・陳謝するっすから、ビシバシ指摘して欲しいっす。
しかし、俺っちの語尾の言いまわしを変更すると俺っちが俺っちでなくなる恐れがあるんでそれだけは勘弁してして欲しいっす。申し訳ないっす。
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